糖尿病網膜症とは
- ▪糖尿病の方では、数年以上にわたって高血糖が持続した後に、目の奥にある網膜の血管に異常をきたして視力が低下することがあります。
- ▪網膜症は、糖尿病の方の約3割に発症し、腎症や神経症と並んで糖尿病の三大合併症といわれます。
- ▪糖尿病網膜症は放置すると失明に至ることもありますが、早期治療により、病気の進行を抑えることができますので、糖尿病の診断を受けた方は、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診する必要があります。
糖尿病網膜症の治療方法
- ▪初期
- 多くの場合、自覚症状はみられませんが、網膜の血管が拡張したり、出血するなどの異常があらわれています。内科医の指導のもと、血糖値をコントロールすることが重要です。
- ▪中期
- 血管からの水漏れにより、網膜の中心部に位置する黄斑が腫れる(糖尿病黄斑浮腫)と、視力低下やものの歪みなどを自覚します。こうした状態では、抗VEGF薬やステロイド剤などの薬剤を目の中に注射することにより、黄斑浮腫を抑える治療を行います。
- ▪進行期
- 正常な網膜血管がつまった結果、異常な血管が生えてきます(増殖糖尿病網膜症)。こうした新生血管は出血や網膜剥離の原因となり、放置すると失明に至ります。また、緑内障を併発して失明に至ることもあります。レーザー光凝固術により異常な血管新生を抑える治療を行いますが、すでに大きな出血や網膜剥離が生じている場合は、硝子体手術を行います。
※『名古屋市立大学病院アイセンターホームページから転載』